20世紀を代表する栄養素がビタミンだとしたら、21世紀は間違いなく”アミノ酸の時代”であるといわれています。アミノ酸はいま、医療、健康、スポーツなどの各分野で大変注目されており、すでにその効果も実証されてきました。私たちの日常生活に必要不可欠な栄養素、それがアミノ酸なのです。
私たちの心や身体に関するすべての情報は、遺伝子によって子や子孫へと伝えます。遺伝子は全部で20種類あるアミノ酸を原料に、私たちのからだを構成するたんぱく質を作っています。アミノ酸が欠乏すると、疲れやすくなったり、免疫力の低下、肌荒れなどが起きることもあり、不規則になりがちな現代人の生活において、健康な身体を保つキーワードといえるでしょう。
人間の身体の60-70%は水分ですが、その他の大部分はたんぱく質からできており、体重のおよそ20%を占めています。人間に必要なたんぱく質は約10万種類にも上がり、それぞれ筋肉や臓器、ホルモン、酵素などを形づくっています。この膨大な数のたんぱく質は、たった20種類のアミノ酸の組み合わせから成り立っているのです。
水分(60-70%)、タンパク質(20%)、脂肪(10%)、その他(10%)
必須アミノ酸 | 非必須アミノ酸 |
---|---|
体内で合成不可 | 体内で合成可 |
バリン | グリシン |
ロイシン | アラニン |
イソロイシン | セリン |
スレオニン | アスパラギン |
メチオニン | グルタミン |
フェニルアラニン | システィン |
トリプトファン | プロリン |
リジン | チロシン |
ヒスチジン | アスパラギン酸 |
グルタミン酸 | |
アルギニン |
たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸のうち、人間の体内で合成できない9種類を「必須アミノ酸」と呼びます。これらのアミノ酸は食べ物から摂取する必要があり、ひとつでも欠けるとからだを正常に保つことができません。
一方、体内で合成できる11種類を「非必須アミノ酸」と呼びます。食事などから摂ったたんぱく質は、小腸で分解・吸収されてアミノ酸になります。「非必須アミノ酸」も「必須アミノ酸」と同様に、食事などからバランスよく摂取する必要があり、体内に蓄えられたアミノ酸バランスが崩れると、アミノ酸からたんぱく質を作りだす効率が悪くなってしまいます。
*バリン・ロイシン・イソロイシンは、総称して
分岐鎖アミノ酸(BCAA)と呼ばれています。
バリン | 筋肉・肝機能強化 |
---|---|
ロイシン | 筋肉・肝機能強化 |
イソロイシン | 筋肉・肝機能強化 |
アルギニン | アンモニア低下作用、血管拡張を助ける作用 |
グルタミン | 潰瘍治癒作用 |
システイン | 美白作用 |
アスパラギン酸 | エネルギー源 |
グルタミン酸 | エネルギー源 |
アラニン | アルコール代謝促進作用、エネルギー源 |
プロリン | 皮膚の天然保湿因子 |
リジン | 小麦粉に不足しがちなアミノ酸 |
たんぱく質とアミノ酸の研究が進むにつれて、ひとつひとつのアミノ酸が様々な働きをもっていることがわかってきています。これまで栄養学的にあまり注目されていなかった非必須アミノ酸にも色々な働きがあることが解明されており、アミノ酸の生体機能に大きな関心が集まっています。20種類のアミノ酸を上手に摂取するために、最近充実してきた補助食品(サプリメント)を活用するのもよいでしょう。
サプリメントは体内に直接アミノ酸を取り込むので、食事のカロリーを気にせず、効率よくアミノ酸を摂取することができます。