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元気、正気、英気、覇気・・・ふだん口にする「気」。 それは目にすることはできませんが、確実に存在するものです。 「気」とは、体内にみなぎるエナルギーそのもの。 よくいわれる「病は気から」とは、本来、気の滞りが病を生むことをさしたものなのです。 気の巡りをスムーズにする生薬、ジャコウ(麝香)・・・ ストレス社会をサポートする 老後や病気の心配、人間関係のイライラ、リストラ不安、ノルマのプレッシャーなど、現代人はつねにストレスに囲まれて生活しています。そんな私たちにとってジャコウ(麝香)は、きわめて重要な意味を持つ生薬です。 東洋医学では、全身に張り巡らされた経路(気の通り道)に、目に見えないエネルギーである「気」が通じることによって健康が保たれていると考えます。 そして病は、精神的ストレスや運動不足、冷えなどによって、この「気」が滞って発生すると考えるのです。 ジャコウジカの雄のジャコウ嚢または嚢中の分泌物を乾燥したジャコウは、古来、全身の気の巡りを改善し、病を防ぐ高貴薬として用いられてきた生薬です。そのすぐれた効能はストレス社会においてなくてはならないものといえます。 正倉院いまなお残る伝統薬 ジャコウの日本への伝来は奈良時代といわれています。わが国は唐(中国)との通交を深めており、有名な僧・鑑真の来日もこの時期です。医薬にも通じていた鑑真は仏典とともに多くの薬物も日本に伝えました。その中にジャコウもあったと推測されます。 正倉院には当時の薬物がいまなお大切に保存されています。多くは聖武天皇崩御の七七忌に孝謙天皇・光明皇后が東大寺の廬舎那仏(奈良の大仏)に献じ、正倉院が保管したものだそうです。 それらを献上した時の献物帳も残っています。「廬舎那仏に奉る種々薬」とあることから『種々薬帳』と呼ばれる巻物です。『種々薬帳』には60の薬名が記されていますが、ジャコウの記載はその冒頭にあり、きわめて重要視されていたことがうかがえます。 現代に生かされる薬能 ジャコウは、明の時代の生薬学者・李時珍が著した『本草綱目』の中で「意識が混濁したり、朦朧となったりしたものを回復させる」生薬として紹介されています。 さらには、生命活動に必要なエネルギーである気血を全身に巡らせて、生体の恒常性を保っている経路の滞りを開く作用があるため、突然昏倒して意識を失った時、また急に手足が冷たくなって顔面蒼白に陥った時、精神が混濁してわけのわからないことを口走る時、食物がうまく消化されずに上腹部や下腹部が痛む時などに効果がある、と解説されています。 これらはまさに、ストレスからくる症状です。仕事のプレッシャーや複雑な人間関係でストレスを感じることの多い現代においてもきわめて有用な生薬といえるでしょう。 アロマテラピーから薬まで世界中で使われる ジャコウは別名ムスク(MUSK)と呼ばれ、香料としても使われています。ヨーロッパでは、薬用のみならずアロマテラピーの素材として自律神経の調整に役立てられているのです。 現代中国においてジャコウは、芳香開竅薬に分類されています。よい香りを持つ生薬の効用・効果に加えて、気の働きをよくする薬能も兼ね備えた薬という意味で、全身の「気」の流れの”滞り”や”詰まり”によって生じるさまざまな病態に応用されています。 日本に伝来してから1300年。ジャコウはずっと他に代わるもののない生薬であり、さまざまな処方に生かされ、とくに「気」の流れをスムーズにしてイライラや不眠、ストレス性の下痢や気つけなどに使われる薬として多くの人々の健康を支えています。
2019-02-10 16:53:40
生薬の話 | コメント(0)