生薬の話
10の生薬が気血を大いに補う「十全大補湯」
漢方では病気になる外的要因として季節ごとに風、火(熱)、湿、暑、燥、寒の邪気を挙げており、冬の寒さは寒邪と考えます。
この邪気を払う薬を「瀉剤」と呼び、逆に自分の元気を補う薬を「補剤」と呼び、邪気の強さや本人の体力から使い分けます。
十全大補湯はその名の通り、「補剤」です。その構成は、補剤として著名な2つの処方を合体(合方)させた内容となっています。
1つは四君子湯、もう1つは四物湯です。それぞれ4種類の生薬からなり、前者は気を補い。後者は血を補うとされ、これら8種類の生薬
に、体を温める力の強い桂皮、気を補うと共に体表を固めて体を強くする黄耆を加えることで、気血を大いに補う処方に仕上げていま
す。気血を補い、体力をつけ、元気に春を迎えましょう。
【効能・効果】
体力虚弱なものの次の諸症:病後・術後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、手足の冷え、貧血

2020-02-20 14:40:06
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☆外出先で冷えた、寒い所で作業していた等があれば特にお勧めです。
漢方では季節の変化に伴い、病気の外的要因となる「外邪」が移り変わります。外邪には風・熱(火)・暑・湿・燥・寒の邪気があり、これから冬を迎えると「寒邪」が旺盛となります。
「安中散」の名前は、「中」をやすらかにすること、すなわち胃腸を整えることを意味します。≪太平恵民和剤局方≫によると、長期にわたる寒邪の停留が原因で生じる脾・胃・肝の気滞疼痛に用いるとあり、桂皮・延胡索・茴香・縮砂・良姜という体を温める力の強い生薬が多く配合されています。
「長期」は数年と解説される場合がありますが、安中散は急性の場合にも用います。特に、普段から冷えやすい環境にいる方、冷え症のある方など、もともと寒邪に曝されている方が、さらに冷えて胃痛や腹痛が起きた場合に最適といえます。
【効能・効果】
体力中等度以下で、腹部は力がなくて、胃痛又は腹痛があって、ときに胸やけや、げっぷ、胃もたれ、食欲不振、はきけ、嘔吐などを伴うものの次の諸症:神経性胃炎、慢性胃炎、胃腸虚弱

2019-11-11 13:37:08
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菊花は、甘・微苦、微寒の性質を持ち、肺・肝に入るとされます。この菊花が配合された処方に『釣藤散』があり、菊花は主薬の釣藤鈎や防風と共に肝の高ぶりを抑え、体を鎮める平肝熄風の役割を担っています。また、橘皮・半夏・人参・茯苓・甘草・生姜が配合されていることから、脾気虚により滞ってしまった水毒(痰濁)が肝の高ぶりと共に上昇し、頭痛やめまいを引き起こす症状に用います。他、石膏は上半身の熱を取り、茯苓は神経を穏やかにする働きをも担います。
【効能・効果】
体力中等度で、慢性に経過する頭痛、めまい、肩こりなどがあるものの次の諸症:慢性頭痛、神経症、高血圧の傾向のあるもの

2019-10-14 15:16:32
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羚羊角は集中力と記憶力アップのお守りです。長時間の勉強、寝不足、目の使いすぎ、不安、運動不足などにより溜まった疲れで「頭がいっぱいいっぱい」になった時、邪魔になった「頭の疲れ」を外へ出してくれるのが羚羊角です。
2019-09-22 16:02:46
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☆秋は燥邪の季節。潤いを与え、咳を鎮める生薬が組み合わされています。
五行学説では、肝・心・脾・肺・腎は、季節としては春・夏・土用(季節の変わり目)・秋・冬であり、環境による病気の原因(外因)として、それぞれ風・熱(火)・湿・燥・寒の邪気が当てられています。
秋は「燥邪」の影響を受けやすい季節です。体が乾燥し、水が不足して上昇しないとのどが渇きます。水の不足により、体を温める熱(火)の方が相対的に盛んになると、虚火が生じ、乾燥に弱い肺を傷つけ、咳込み、切れにくい痰を引き起こします。麦門冬湯の主薬は、名称である麦門冬で、最も多く配合され、肺と胃を潤し、虚火を冷まします。人参、粳米、大棗、甘草は、胃気を健やかにし、水を肺に運びます。体を温め、乾かす性質を持つ半夏が入っていますが、麦門湯を多くすることでこの性質は消え、また、半夏により麦門冬の粘り気が除かれ、咳込みを鎮めることができます。
【効能・効果】
体力中等度以下で、たんが切れにくく、ときに強くせきこみ、又は咽頭の乾燥感があるものの次の諸症:からぜき、気管支炎、気管支ぜんそく、咽頭炎、しわがれ声


2019-09-12 14:16:37
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☆つかれが原因で風邪をひいてしまったという時にもお勧めです。
補中益気湯は、中国の金元四大家の一人、李東垣による処方です。李東垣は、脾胃は元気の源という「脾胃論」を唱え、温補脾胃の治法をよく用いました。脾胃は五行の木火土金水でいうと土にあたることから、「補土派」とも呼ばれています。
漢方の処方には脾胃の元気を補う生薬が入っていることがありますが、これもまた、病気の治療には脾胃の元気さが重要で、しっかりご飯を食べられることが体力をつけ、病に打ち克つと考えられているためといわれています。
この、脾胃を元気づける代表的な処方といえるのが、補中益気湯です。名称にある「中」は身体の真ん中、つまり脾胃を指し、胃腸の元気さをつけ、体力を回復させることで、疲れ、食欲不振、病後の衰弱、感冒などを治療します。
【効能・効果】力虚弱で、元気がなく、胃腸の働きが衰えて、疲れやすいものの次の諸症:虚弱体質、疲労倦怠、病後・術後の衰弱、食欲不振、ねあせ、感冒

2019-07-06 15:28:24
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☆これからの時期に、体力に関わらず使用できる『五苓散料』
暑い日が増えると、水分補給を気に掛ける方も増えますが、口から飲んだ水分は身体に吸収され、巡り、汗や尿などとなり、気持ちよく出ているでしょうか?あまり汗をかかないし、トイレもそんなに・・・という方で、むくみやめまい、頭痛などを感じることが多いのであれば『五苓散料』です。
『五苓散料』は、『傷寒論』を出典とし、太陽病で大いに汗が出た後、口渇を訴え、水を飲ませたものの、利水が不十分で微熱がある者を主るとされています。太陽病で発汗していても、口渇が激しいと体表に邪気(表邪)が残っており、体の内側(裏)には水が停滞しているため、表邪を発散させ、裏の水をさばく必要があります。これが五苓散の主治です。暑気あたりや二日酔いにも良いので、夏バテしやすい方、お付き合いの多い方にも知っておいて頂きたい漢方薬です。
【効能・効果】体力に関わらず使用でき、のどが渇いて尿量が少ないもので、めまい、はきけ、嘔吐、頭痛、むくみなどいずれかを伴う次の諸症:水溶性下痢、急性胃腸炎(しぶり腹(注)のものには使用しないこと)、暑気あたり、頭痛、むくみ、二日酔い
(注)しぶり腹とは、残尿感があり、繰り返し腹痛を伴う便意を催すもののことである。

2019-06-15 14:39:03
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鹿茸・菟絲子・枸杞子配合滋養強壮剤
●4種類の生薬が協調的に作用します。
古来、強壮薬の双璧とされてきた紅参と鹿茸に、これも古くから滋養強壮の妙薬として用いられてきた菟絲子と枸杞子を配合することによって、これらの生薬が協調的に働き、すぐれた効果を発揮します。
●肝腎を補い、日常の健康管理に最適です。
中医学的に健康を保つ上で重要とされる肝と腎を鹿茸、菟絲子、枸杞子がバランスよく補いないますので、日頃の健康管理に最適です。特に女性に多くみられる冷えのぼせから中高年の肉体疲労まで、幅広くご活用いただけます。
やりたいことは、山ほどある・・・そんな貴方を応援します!!
活命参はこんな方の滋養強壮におすすめいたします。
◆顔はほてるが手足や腰は冷える。
◆疲れが抜けず、根気がない。
◆夜中にトイレに起き、熟睡できず疲れが取れない。
◆だるくてやる気が起きない。
◆長時間パソコンを使ったり、新聞を読んでいると疲れがたまる。
鹿茸(ロクジョウ)とは・・・
シカ科アカシカまたはシカのまだ角質化していない幼角を乾燥したもので、中国最古の薬物書といわれる『神農本草経』に収載され、古来すぐれた強壮生薬として珍重されてきました。消化機能促進作用、造血機能促進作用、強壮・疲労回復作用などが報告されています。
紅参(コウジン)とは・・・
ウコギ科オタネニンジンの根を蒸して乾燥したもので、抗疲労作用、健胃作用などが認められています。『神農本草経』に上品として収載され、古くから漢方の要薬として広く用いられてきました。
菟絲子(トシシ)とは・・・
ヒルガオ科マメダオシまたはネナシカズラなどの種子を乾燥したもので、『神農本草経』に上品として収載され、肝腎の機能低下による疲れや冷え症、冷えからくる症状などに用いられます。
枸杞子(クコシ)とは・・・
ナス科クコの果実を乾燥したもので、薬膳料理やクコ酒として広く使われています。『神農本草経』に上品として収載され、主に肝腎を補います。『本草綱目』には「腎を滋す、肺を潤す、目を明らかにする」とあります。

2019-05-12 14:06:37
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